こんにちは!キッチン連載の第2話です。
前回(第1話前編・後編)では、「南東×独立キッチン+ダイニングスペース」の配置や、家族との心地よい距離感、5年後の現状についてお話ししました。
第2話のテーマは、暮らしやすさを大きく左右する「家事動線」です。
家事動線は大事と言われますが、我が家が目指したのは「生活感を隠しつつ、余計な移動をできるだけ減らすこと」。試行錯誤の末に行き着いた、我が家の「家事動線」をご紹介します。
用途で使い分ける2つの直行ルート
我が家は、人気の「来客用玄関」と「家族玄関」を分けませんでした。理由はすごくシンプルです。
「自分たちの家なのに、どうしてたまにしか来ない来客用の玄関の方が広くて動線が良いんだろう?」
と純粋に疑問だったからです(笑)。
毎日使う家族が狭いサブ玄関を使い、年に数回のお客さんのために広いメイン玄関を開けておく…。「我が家なんだから、一番使いやすくて広い玄関を自分たちが毎日広々と使いたい」と思ったんです。
そこで我が家は、家族玄関をつくらず、玄関から家の中へ入ったあとの「2つのルート」をつくることにしました。
【ルート①】リビングへ直行するルート
普段の帰宅時はこちらを使い、お客さんにはこちらを通ってもらいます。玄関が一つでも、生活感を隠しながらリビングへ案内できます。
【ルート②】脱衣所を通ってキッチンへ直行できる、機能的なルート
買い物帰りに、荷物をそのままキッチンへ運びたいときに使います。また、暑い日に汗だくになったときや、子どもが泥だらけで帰ってきたときには、そのままお風呂へ直行できます。
リビングを通らず、キッチンやお風呂へ直行できるのが、このルートの便利なところです。ただし、誰かがお風呂に入っているときは、リビング側のルートを使います。
お客さんが来ているとき、買い物袋を持ってリビングを通らないのは気に入っています。

黄色の矢印:リビングへ向かうルート
この「玄関からお風呂へ直行できる動線」には、どうしても譲れない理由が2つありました。
一つは、帰宅後の子どもの動線です。
下の子が小さかった当時、帰宅してリビングを通ると、すぐに遊び始め、「お風呂入るよ〜!」と言っても、なかなかお風呂に行ってくれないことがよくありました。「汗をかいたり、汚れたりしたときは、リビングを通らず、そのままお風呂へ直行できたらいいのではないか」と思いました。
もう一つは、ながら家事のしやすさです。
マンション時代、キッチンと脱衣所・浴室が廊下を挟んですぐのところにあり、家事のしやすさを実感していました。脱衣所とキッチンが隣り合う配置にし、洗濯機もそこに置きました。料理の合間に洗濯機を回す……という「ながら家事」が、日々の家事をラクにしてくれています。
完成した我が家に初めて来た母は「玄関のそばにお風呂があるの…!?」と驚いていましたが、ひと昔前の「お風呂は家の奥に隠すもの」という感覚よりも、私にとっては「毎日の育児と家事をいかにラクにするか」を最優先にした家づくりでした。
洗面台を「脱衣所の外」に出した理由
玄関手洗いと洗面台を兼用して、プライバシーを確保
間取りを考えていた当初は、帰宅後すぐに手が洗えるよう「玄関手洗い」をつくる予定でした。脱衣所と2階にも洗面台をつくる予定だったので、このままだと洗面・手洗いが3か所もできてしまう…と悩んでいました。
玄関手洗いといえば、おしゃれでコンパクトな手洗い器に憧れますよね。私もすごく憧れました!でも、我が家がそれを採用しなかった理由は「水ハネ」です。
小さなボウルだと、気を付けて洗っても周りに水が飛び散りやすいですよね。お客さんや子どものお友達にも、気兼ねなく使ってもらいたかったんです。
玄関手洗いの水ハネも気になっていたのですが、決定打になったのは、間取りを詰める中でふと気づいた「子どもたちのプライバシー」でした。
最初は脱衣所に洗面台を配置していましたが、子どもたちが思春期を迎えたとき、「誰かがお風呂に入っていると洗面台が使えない…」という状況になるかもしれない。そこから、洗面台を脱衣所の外に出す配置に変えることにしました。
玄関手洗いを別に設けるのをやめて、脱衣所に置く予定だった「ハウスメーカー標準の洗面台(幅750mm)」を廊下へ出し、家族の洗面台と玄関手洗いを兼ねることにしました。
おしゃれなコンパクト手洗い器ではなく、深めのボウルを備えた洗面台にすることで、水ハネの心配も少なく、家族も来客も気兼ねなく手が洗えるうえ、つけ置き洗いや洗濯の下洗いにも使えると考えました。
脱衣所収納は「浮かせて」通路を確保
当時は狭い脱衣所に洗濯カゴを置いており、カゴが通路の邪魔になることもしばしば。ドラム式洗濯機の扉や洗面台の引き出しを開けるたびに、洗濯カゴをその都度ずらすのが面倒でした。
だからこそ、今回の家づくりで解消したかったんです。
「子どもも手が届く高さに洗濯カゴを置きたい。家族分の下着収納も欲しい。でも通路はスッキリ死守したい!」
そんな我が家の悩みを解決する策を求めて、夜な夜な血眼になってネットの海を彷徨い、行き着いたのが、壁面を使った「浮かせる収納」でした。
『あったら便利』と『わが家に必要』は、ちょっと違った
最近は、ランドリースペースやファミリークローゼットを取り入れた間取りも増えていますよね。
我が家は、どちらも採用しませんでした。
ランドリースペース、作りませんでした
洗濯から乾燥まで洗濯機で済ませてしまうため、毎日洗濯物を干す場所は必要ありませんでした。
干しておきたいものは2階のフリースペースを使っていますが、毎回ではないので、洗濯物を持って2階へ上がることも不便には感じていません。
洗濯物を畳むのは、脱衣所。
40歳を過ぎてから、なにかと座って作業したくなってきたんです。我が家は、この狭い脱衣所で椅子に座りながら洗濯物を畳んでいます。
ニッチ収納に折りたたみの作業台があるので、座ったまま畳んだものを作業台に置いていく。畳み終わったら仕方なく立ち(笑)、脱衣所にある収納に入れています。
下着類は脱衣所に収納しているので、その他の衣類は、2階へ行く用事があるときに一緒に持っていけば十分です。
ちなみに、アイロン台は夫婦のウォークインクローゼットに置いています。立って使うタイプです。
いつでもどこでも座りたい私ですが、アイロンだけは立ってやったほうが、きれいに仕上がるんですよね。なので、アイロンのときは立っていても苦痛ではありません(笑)。
ファミリークローゼットも作りませんでした
ファミリークローゼットも、家族全員の衣類を一か所にまとめる必要はないと考えました。
夫婦のウォークインクローゼットはありますが、子どもたちの衣類はそれぞれの部屋で収納しています。中学生・高校生になると制服で過ごす時間が増えるので、私服をたくさん収納することもないかな、と考えていました。
それ以降は、いずれ家を出て、自分で暮らしていくことになるでしょう。そのため、子どもたちには、自分の持ちものを自分で管理することにも、少しずつ触れてほしいと思っていました。
子ども部屋には、これもまた壁面収納で、ハンガーパイプと引き出しを設けています。
今のところ、一人分の衣類なら、この収納で十分でした。
まだ、自分で管理するのは難しいので、衣替えのタイミングで子どもに声をかけ、一緒に衣類を見直しています。
外構は、芝生・砂利・ウッドデッキではなく「タイルデッキ」一択に
キッチンからつながる庭の素材も、悩みました。芝生・砂利・ウッドデッキ・タイルデッキ…。消去法で考えた結果、我が家は「タイルデッキ」になりました。
決め手は、以前住んでいたマンションのバルコニーでの経験です。タイル敷きだったその場所を掃除したとき、思っていたよりも簡単にきれいになり、手入れの負担の少なさが印象に残っていました。
それと、BBQをすることがなぜか確定していたので、火を扱うことへの心配と、安定した地面が必要だと考えました。
我が家は高さを出したデッキではなく、庭の地面に直接タイルを敷き詰める形の「タイルデッキ(タイルテラス)」にしました。
キッチンから勝手口を通ってサッと外に出られる動線と、手入れがラクで頑丈なタイルデッキの組み合わせを夢見て、家づくりを進めました。

勝手口を採用した2つの理由
「勝手口はいらない派」も多いですが、我が家にとっては「あったほうが便利かな〜」と思い、採用することにしました。
理由①:車からキッチンへ、荷物をダイレクト搬入
我が家は、玄関を出たところに駐車場があり、その奥がテラスになっています。駐車場とテラスの間に仕切りはなく、そのまま行き来できます。勝手口があることで、重い荷物や大きな買い出し品を、車からテラスを通って、キッチンへ運び入れられると考えました。
というのも、引っ越す前からコストコによく通っていたので、「大量の買い物をした帰りに、リビングを通らずキッチンへ直行できたらラクなはず…」と、当時の私はものすごく期待を膨らませていたんです。
勝手口から入ってすぐの場所に、扉付きのパントリーを配置しました。パントリーに向かって右手に「勝手口」、左手に「脱衣所を通ってきたキッチンへの入り口」という位置関係です。
パントリーで人気のウォークインタイプは、私には「立つ空間」がもったいなく感じました。また、地震のときに割れ物などが落ちたら危険だと思ったので、我が家は「奥行き30cmの可動棚(幅80cm×2つ)」を採用することにしました。
果たして、この期待どおりの快適な暮らしが待っていたのかどうかは、少しあとでお話しすることにしましょう(笑)。
理由②:「想像BBQ」から導き出した出入り動線
少し庭があると、どうしてBBQをやりたくなるんでしょうね(笑)。
ここで重要だったのが、「BBQ中の動き」のシミュレーションでした。なにせマンション生活だったため家でBBQをしたことがなく、「家族みんなでやるとき、どう動くんだろ?」としつこいくらい想像BBQを繰り返しました(笑)。
その結果、食材を持ってリビングの大きな窓から出入りするより、「キッチン → 勝手口 → 庭」で食材を運ぶほうがスムーズではないかと考えました。この「中継基地」としてのキッチン動線は、どうしても作っておきたいポイントでした。
5年経っても、やっぱり便利な家事動線
早いもので、我が家も「住宅の5年点検」を迎えました。「えっ!?もう5年経ったの!?」と時の早さに驚くばかりです。
玄関から先の「2つのルート」
玄関を上がってからのルートを2つに分けたことは、今でもよかったと思っています。来客時には生活感を見せずに案内でき、普段は自分たちが一番使いやすい動線をフル活用できています。
母が驚いていた「玄関のそばに浴室がある間取り」も、とても便利でした。子どもの泥だらけの体や雨の日、部活帰りの汗だくの息子も、リビングを通らずにそのままお風呂へ直行できる!この動線に何度も助けられています。
そして、キッチンのすぐ隣に洗濯機がある配置も、5年経った今でも便利だと感じています。キッチンと洗濯機の距離が近いので、余計な移動がほとんどなく、家事をスムーズに回せます。この「ながら家事」のしやすさは、日々の暮らしの味方です。
スッキリした脱衣所
廊下へ独立させた洗面台は、水ハネが気になったことがなく、家族もお客さんもここで手を洗っています。家族の誰かがお風呂に入っていても、いつでも洗面台を使えています。
脱衣所の収納を、引き出しとハンガーパイプを組み合わせた壁面収納にしたことで、ハンガーパイプの下にキャスター付きの洗濯カゴを収められるようになりました。洗濯カゴが収納の下に収まっているので、通路を塞ぐことなく、いつでもスムーズに通れます。洗濯機の扉もすぐに開けられ、ほこりや髪の毛ですぐに汚れる脱衣所の掃除機がけもラクになりました。あの時、執念で解決策を探した甲斐がありました(笑)。
大活躍の勝手口
さて、コストコから帰ってきた日ですが、車からテラスを通って勝手口、そしてすぐにパントリーへの動線は、期待通りでした〜!
大容量の品や大きなペーパータオルを、一度玄関に置き、家に入ってからパントリーまで運び直す……という手間を減らせるのは、やっぱりラクです。夫がいるときは勝手口で待機してもらい、そこからバケツリレーのようにキッチンやパントリーへ運び込めます。一人のときは、家に入って勝手口を開けるひと手間がありますが、それでも大量の荷物を玄関から運び直さずに済むのは助かっています。
さらに、キッチンに勝手口があるからこそ、テラスへ出る動線がBBQのときに最高のパフォーマンスを発揮してくれます。
——そう、「想像BBQ」、まさにそのままでした(笑)!
BBQの最初は、子どもたちもグリルの近くにいます。でも、やっぱり外に長くはいられないですね。すぐに飽きて家に入りリビングで遊びます。焼けたお肉や野菜を、勝手口からキッチンへ運び、カットしてリビングへ出すという、あのとき思い描いた通りのBBQになっています。キッチンが近いので、焼く前の食材を外に置きっぱなしにすることもなく、タイミングに合わせて食材を運び出すこともできます。大人は外でのんびりお肉を焼きながら、テラスとキッチンを行き来できるので、本当に便利です。
放っテラス
庭に採用したタイルデッキも、採用してよかったと感じています。草も生えないし、年に1〜2回、サッと掃除する程度でほとんど手間いらず。とにかく管理がラクで助かっています。BBQをするときも、火が燃え移る心配が少なく、楽しい時間を過ごせる場所になっています(念のため、消火器もスタンバイしています)。
引っ越して2年目の夏、家の外壁に蜂が巣を作ってしまう事件がありました!プールの水を張りっぱなし(カバーはしていました)にしていたからだと思います。幸い、巣のサイズが小さかったので自分たちで駆除できましたが、気づかず放置していたらと思うとゾッとしました。
それを機に家でのプールは卒業しましたが、今はBBQはもちろん、外でのモーニングや子どもが縄跳びをするスペースとして活躍しています。
まとめ
生活感を隠しつつ、家族の動きや将来の成長を考えて作り上げた「家事動線」。
5年経った今でも、我が家の毎日の暮らしを支えてくれています。余計な移動をできるだけ減らす工夫は、私たちがこれから歳を重ねても、きっと暮らしやすさにつながっていくはずです。
