ショールームで夢を膨らませ、好みのデザインを詰め込んだ見積もりを見ては「目ん玉がひっくり返る」ような現実に直面し(笑)、一周回ってたどり着いた我が家のハウスメーカー標準――クリナップの「ステディア」。
ここから私たちの「カスタマイズ計画」が始まりました。
出鼻をくじかれる
「食洗機と家事動線」を最優先に、キッチンづくりが始まりました。何回、ショールームに行ったでしょうか……。
フロントオープンの食洗機を諦めきれず、キッチンとダイニングスペース、家事動線のすべてがうまくまとまるように、間取りのピース合わせの日々。正直、行き詰まっていました。
すでにキッチンとダイニングスペースは、床面積を1.5畳分広げていたのに、さらに広げないと実現しないかもしれない……。その分、コストもかかる……。そんなことも考えていました。
ハウスメーカー標準のキッチン(2550mm)を壁付けにする配置もうまくいかない。L字キッチンなら何とかなるかもしれないけれど、冷蔵庫とカウンター収納の位置が難しい。Ⅱ型にすると、フロントオープンの食洗機の扉を開閉するためのスペースを確保する必要があり、それも難しい。
そこで一度、フロントオープンの食洗機を条件から外して、ダイニングスペースを優先して考えてみることにしました。
次に考えたのが、Ⅰ型キッチンのシンクの両サイドに、スライドオープンの食洗機を1台ずつ設置するプランです。
ハウスメーカーの標準仕様では、リンナイの浅型食洗機が付いていました。標準仕様を活かして実現できるなら、それがいいのではないか。
「よし、それで決まりだ!」
私の中では、すっかり完成したプラン。これでいこう!と意気揚々とショールームへ向かい、担当の方に相談しました。
「食洗機は1つのキッチンキャビネットに1台しか付けられないんです」
……そんな決まりがあるんですね。
出会い
予想外の展開に、プランは振り出しに戻りました。
図面を見ていても仕方がないと思い、ショールームで実物を見ながら考え直すことにしました。
どうしたらいいかな〜。まったく、どれもこれも素敵なキッチン。一つ見ては「いいんだけど、これじゃない」と心の中でつぶやく。次のキッチンも「なんておしゃれなキッチン。でも、これじゃない……」。
そうやって見ていくと、奥に気になるキッチンがありました。そのキッチンの前に立つと、
「あっ、これだ!私にちょうどいいキッチン、これだ!!」
出会えました!!
担当の方から、キッチンの幅は2100mmだと教えてもらいました。
マンションで使っていたキッチンは2500mmサイズで、限られた空間を有効に使う工夫が詰まったキッチンでした。
ワークトップの幅は750mmほどでした。このワークトップも広くていいと思っていましたが、料理をして盛り付けをしようとすると、作業スペースは全然足りませんでした。
そして、細かいことだけど、だしパックをシンクに捨てるのに3〜4歩、アクを取ってシンクに流すのにまた3〜4歩。毎日使うとなると地味に疲れて、せめて一歩で済ませたいと思っていました。
当時のマンションでは、浅型の食洗機を使っていたので、調理器具のほとんどを手洗いしていました。大きめの水切りカゴが必要になり、ワークトップに置いてみたり、ワイドシンクの上に置いてみたり。ワイドシンクでも、水切りプレートに水切りカゴを置くと、シンクが十分に使えず、通気性も悪くなってカビが発生していました。
体力も残っていない1日の終わりに、お鍋や調理器具を洗うのは、なかなかの重労働でした。
「食洗機があるのに、調理器具のほとんどを手洗いしなければならない」という状況に、ずっと不満がありました。
私たちが検討していたのは、ミーレのフロントオープン食洗機でした。大容量で、見た目もかっこよかったです。しかし、実は仕方なくという部分もあったのです。
スライドオープンの食洗機を長年使っていた私たちは、フロントオープンを使うときのしゃがむ動作が、いつか辛くなるのではないかと考えていました。
当時検討していたミーレの機種には乾燥機能が付いていなかったため、ちゃんと乾くのかという疑問もありました。海外メーカーなので、故障したときの対応にも不安がありました。
さらに、1日分の食器と調理器具を夜にまとめて洗えるのは便利ですが、洗い物が少ないときに食洗機を使うことには抵抗がありました。また、夜に1回だけ洗う使い方をするなら、食器だけでなく、調理器具も今より数を増やす必要があるのではないかと考えていました。
発想の転換
出会ったキッチンは2100mmと、今までのキッチンよりかなりコンパクトでした。でも、私がこのキッチンの前に立った瞬間、「自分に合ってる!」と思いました。キッチン全体がなんとなく視野に収まる感じがよかったのです。
使い勝手を優先し、キッチンと冷蔵庫を並べて配置するプランを間取りに入れてみました。
「やったー!!!」
と思ったそのとき、
「1つのキッチンキャビネットに1台の食洗機ということだったな……。じゃあ、もう一つキッチンキャビネットがあれば、食洗機も増やすことができるのではないか。」
そう思い、担当の方に話をしました。
「それだったら、出来ますよ」
図面上で、ダイニングスペースに既存のキッチンと平行に、同じサイズのキッチンキャビネットを配置してみました。
いいんじゃない!!
追加したキッチンキャビネットは、天板の奥行きを800mmにして、ダイニングテーブルの代わりにもなるカウンターキッチンにすることにしました。そして、スライドオープンの深型食洗機を入れ、残りは収納に。
ショールームの担当の方から収納の配置について的確なアドバイスをいただき、調理に必要なものに加え、ほとんどの食器をこのキッチンキャビネットに収納できるようにしました。
ここまで決まり、感無量でした。喜びを噛み締めていたとき、担当の方がこう言ったのです。
「コンパクトだけど、機能は充実していますし、ワークトップも十分です。私、5年間いろんなキッチンを見てきましたが、こんなキッチン、初めてです。」
嬉しかったです。珍しいキッチンを作ったというより、「自分のキッチンを作ったんだ」と思えたからです。
その後、ハウスメーカーの担当の方にも、ショールームで決めたキッチンプランを実現できるか、配管や電気などの設備面に問題がないかを確認してもらいました。
これでキッチンとダイニングスペースの設計が終了しました。
憧れてたけど
ミーレのフロントオープンには憧れていました。でも、浅型と深型のスライドオープン食洗機を2台設置できることになり、食器も調理器具も手洗いせずに済むので、フロントオープンを諦めることに悔しさはありませんでした。
浅型と深型があるので、朝食と昼食の洗い物はまとめて1回で済ませ、洗い物の量に合わせて使い分けています。夕食では、調理器具は深型に、食器は浅型に分けて洗います。
予想通りの使い方ができていて、理想だった「手洗いなし・水切りカゴなし」の生活を送っています。シンクはワイドシンクではありませんが、使った食器などはすぐに食洗機に入れるので、シンクがあふれることはありません。

キッチンとカウンターキッチンの間の通路幅は、最終的に700mmになりました。
少し狭いかもしれないと思っていましたが、身長160cmの私は、料理中に狭さを感じていません。キッチンの背面には、キッチンと同じ高さのカウンターキッチンがあります。手を少し伸ばすだけでカウンターキッチンに物を置けるので、作業もしやすいです。
一番下のフロアコンテナにはけこみがあり、奥行きも少し浅く、最後まで引き出せません。そのため、シンク下のフロアコンテナに入れたお鍋を、正面から取り出すことができます。
料理中は、食器などを横から取り出すことも多いため、通路幅700mmでも引き出しは十分に使えています。
カウンターキッチンを中心に、通路がコの字型になっています。キッチンに入る手前には冷蔵庫とカウンター収納があり、コップやカトラリーはカウンター収納に入れています。
この配置のおかげで、家族がキッチンに来ても私とすれ違うことがほとんどありません。基本的に一人で料理をするので、通路をもっと広くすればよかったと思ったことはありません。
子どもと一緒に料理するときは、カウンターキッチンで一緒に作業をしています。向き合って作業するので、子どもの顔や手元がよく見えます。隣り合うより、向き合う方が、子どものかわいい顔を見ながら料理ができるんです(笑)。
キッチン側にいる私は、その場で水や調味料などを用意できるので、子どもと一緒に料理する時間を楽しんでいます。
まとめ
憧れていたフロントオープンの食洗機は諦めることになりましたが、今のキッチンに後悔はありません。
プランがなかなか決まらず、私たちは何度もショールームに足を運びました。そんな私たちと一緒に考え、最後まで納得のいくキッチンづくりに向き合ってくれた担当の方には、本当に感謝しています。
おかげで、憧れの設備を取り入れることよりも、これからの暮らしに合ったキッチンを選ぶことができました。
「標準仕様を活かして、こだわりに全振りする」。
限られたスペースに必要な機能を組み込んで完成したのが、この「ステディア+食洗機2台」のキッチンです。毎日何度も立つ場所だからこそ、この選択をして本当に良かったと実感しています。
