【5年目の答え合わせ】独立キッチン+ダイニングにして、5年経った今【キッチン連載第1話・後編】

明るい光が差し込むキッチン+ダイニングスペース。午後2時、40代女性が一人、コーヒーを飲んでいる。

先日、我が家も「住宅の5年点検」を迎えました。「えっ!?もう5年経ったの!?」と驚きしかありませんでした。

ここでは、引っ越してからの5年間を振り返り、当時の決断がどうだったのかをお話しします。

目次

5年経っても、「これでよかった」と思えるキッチン

名ばかりのダイニングテーブル

独立キッチン+ダイニングを目指し、最終的に壁付けI型キッチン+キッチンカウンターになりました。

設計の時点ではダイニングテーブルを配置する予定でした。しかし、家事を軽量化するためにキッチンの設計を試行錯誤した結果、ダイニングテーブルではなく、キッチンカウンターを置くことになりました。

一応、ダイニングテーブルはリビングにあります。引っ越してしばらくは、夕食はダイニングテーブルでとっていました。

新築で、ダイニングテーブルで優雅に食事がしたかった時期でした。配膳の手間を省きたかったのに、配膳していた事実…。新築マジックは、配膳を手間だと感じさせませんでした(笑)。

しかし、それも最初だけ(笑)。ダイニングテーブルでは子どもたちがダイナミックに遊び、片付けてもまた遊ぶ…。お絵描きや工作などで遊ぶのもあと数年かなと思い、ダイニングテーブルとしての機能に執着するのをやめました(前向きなズボラです)。

そして、そのうちに配膳も手間に感じ、今ではほとんどキッチンカウンターで済ませています。ここでわかったことは、心も体も軽ければ、配膳もストレスに感じないということです。

朝食などの軽い食事と平日の夕食はキッチンカウンター、家族揃ってのんびり食べたいときはリビングのダイニングテーブルや座卓を出してのんびり過ごす。そのときの家族の過ごし方に合わせて、使い分けるようになったのが今の我が家です。

コーナー小走り、終了しました(笑)

さて、絶対に譲れなかった「振り向いてポン」の配膳ですが、5年経った今でもとにかくラクとしか言いようがありません。振り向いてポンというより、盛り付けたらそのまま配膳まで終わるのです。マンション時代の「コーナー小走り」は完全になくなりました(笑)。

食べ終わった食器もサッとシンクへ移せます。シンクへの距離が近いからか、子どもたちは食べ終えた後、自分の食器をシンクに運ぶようになりました。運び方からシンクへの置き方まで、私は一歩も動かずに伝えることができます。

オープンキッチンでは、リビングや廊下に行くたびに、ごちゃついているキッチンが目に入って「あ〜、まだ片付いてない。やらなきゃ。でも、今はやれない」と頭の中に常にありました。今はリビングとの扉代わりにつけたカーテンをサッと閉めるだけで一瞬で隠せます(笑)。急な来客があっても、キッチンは軽く片付ける程度で済むので気楽です。

それにしても、キッチンで気忙しくしていることが本当に少なくなりました。引っ越してきた当時、下の子はまだ2歳だったので、「ママ〜、見て〜」と何度も呼ばれることがありました。また、やけに静かだと気になってリビングの様子を見にいくこともありました。

しかし、成長と共に呼ばれることも少なくなり、それぞれやりたいことに没頭しているときはそっとしておくことができる環境になりました。子どもたちがリビングで何をしていても、目に入らなければ口を出すこともない。やっぱり自分はそういうタイプなんだと実感しています。

テレビと換気扇の戦いは…

さて、テレビと換気扇の音の戦いですが、こちらは終戦となりました(笑)。マンションに比べ、キッチンとテレビに距離ができたこともありますが、やはり、キッチンとリビングに間仕切りがあることで換気扇の音がダイレクトにリビングに響きません。時々、テレビのボリュームを上げているようですが、こちらも気にならず、口喧嘩に発展することはなくなりました。

ちなみに、独立キッチン+ダイニングの空間にはテレビを置いていません。ここで食事をするときは、テレビが食事の邪魔をすることがないので、子どもたちとゆっくり話をするようになりました。そもそも、テレビとの戦いがないので朝も準備に集中できます。天気が気になるときは、私か夫がスマホで確認をすることで問題なく対応できています。

料理の匂いは多少リビングへ届きますが、気になって窓を開けるほどでもなく、匂いを気にしてメニューを選ぶこともなくなりました。「いい匂いがする。何作ってるの?」と、子どもがキッチンに来るときは嬉しいですね。

日当たりの良さと、全然飽きないキッチン

全館空調を入れているとはいえ、南東の日当たりが良い場所なので、食材の傷みやすさや臭いについては日々一応考えます。

さらに、外からの黒い侵入者への危機感もあり、夫がキッチンリセットをする時にシンクをピカピカにする習慣が身についたのです!夫は黒い侵入者が大嫌いです(笑)。

生ゴミを出しっぱなしにはせず、袋に入れてしっかり結び、蓋付きのゴミ箱へ捨てる。私は当たり前にやっていましたが、この家事スキルを夫が身につけてくれたおかげで、私ができない時は夫がやってくれます。そんなふうに分担できることで、毎日快適に過ごせています。

独立キッチン+ダイニングスペースの壁はエメラルドグリーン、キッチンの面材は黄色とそこそこ明るい空間です。この色使いにすることができたのは、やはり、リビングと間仕切りしている独立した空間だったからだと思います。

リビングのように広い空間ではないので、暗い色よりは白を基調とする明るい空間を目指しました。壁紙を選ぶ際、ハウスメーカーのインテリアコーディネーターさんから水や油に強い壁紙を提案していただき、その中から選んだのですが、5年経った今でも壁紙の色が「可愛いな」とニヤニヤしています。

また、デザイン重視で選んだ「淡い黄色の天井」ですが、住んでみて「あ、この色なら天井の黄ばみも目立たない!」と気づきました(笑)。

当時は天井の汚れを考えて選んでいませんが、見た目のキレイさ維持の面でも汚れが目立ちにくい色にしてよかったと思います。

朝は光とともに、夜は灯りとともに

我が家の独立キッチン+ダイニングスペースには、南側のシンク前に横60×縦70cmの窓、東側に横60×縦30cmの小窓と勝手口があります。

南側シンク前の窓を、外から中が見えない「型ガラス(霞ガラス)」にしました。これだと、カーテンをつける必要がなく、プライバシーを守りながら昼間の明るい光をたっぷり採り入れられます。

東側の小窓は、サイズが合うカーテンが見つからず、オーダーするのも面倒でそのままにしています。窓のサイズが小さいので、外からの視線はあまり気になりません。

これらの窓と勝手口から、朝は爽やかな朝日が差し込みます。朝が苦手な私も、朝の光のおかげで朝食とお弁当作りにスイッチが入り、子どもたちもしっかり目覚めて学校へ向かってくれます。

そして夜になると、また違った表情を見せてくれます。カウンターテーブルの上にペンダントライトを2個つけているのですが、外の暗闇が背景になってペンダントライトの灯りをより綺麗に引き立ててくれます。

特に冬の夜、カウンターのペンダントライトを点灯させるのが密かな楽しみです。また、カーテンをつけないことで掃除の手間も省け、朝と夜でガラッと表情が変わる大好きな空間になりました。

動くものは止められない(笑)

「ここは私の場所」のはずだったのに

下の子が2歳だったので、引っ越してからしばらくは仕事をせず家にいました。子どもと一緒にいると夫の存在もあまり気にせず過ごせました。子どもが幼稚園に入り、「この独立キッチン+ダイニングスペースで、私は快適に過ごせるはずだ!」と楽しみにしていたのですが、あまり快適ではなかったのです。これは、結構ショックでした(笑)。

昼間、夫と二人で家にいる時間は、キッチンが自分の居場所だと思って、お茶を飲みながら過ごすことが多かったです。
でも、その心地よい時間が遮られるんです。
それもそうですよね。キッチンですもんね。

お茶を飲みに、昼を食べに……夫が来るんですよ!!

夫の行動に悪気はありません。喉が渇いただけなのに、「キッチンに来るな」とも言えませんよね(笑)。

設計の当初から、自分の心身を守れる場所が欲しかった。夫の仕事部屋を2階に配置したことで、マンション時代に比べれば確かに距離はできました。でも、ここで私はひとつ見落としていました。

夫は、家の中を自由に動ける。

いくら夫でも、24時間365日一緒にいるのは疲れます。

もちろん、夫は家族のために在宅ワークを選んだ経緯があり、実際に家にいてくれて助かったこともたくさんありました。夫が悪いわけでもありません。

それでも、「自分の場所が欲しい」と思って作った独立キッチンなのに、夫がそこへ入ってくるたびに、自分のペースが途切れる。

独立キッチンにしたら、物理的な距離は作れる。

でも、壁は、人の動きを止めない(笑)。

壁では夫の動きを止められなかったので、私は自分の心地よい時間を守るために、別の対策をとる必要が出てきました。

5年暮らして身についた「かわすスキル」

独立キッチンは夫に対して失敗だったのか。

そんなくだらないことを考えたこともあります。

設計しているときの私は、なぜか「夫もそんなにキッチンに来ないだろう」と思っていたんですよね。

でも、実際に暮らしてみたら、夫は普通に来る(笑)。

独立キッチンにしたからといって、夫の動線まで独立するわけではありませんでした。

でも、5年も経つと少しずつ変わってきました。

慣れたのでしょうか。

いえ、たぶん違います。

私に「かわすスキル」が身についたんだと思います(笑)。

いつでも正面から向き合うのは疲れます。

いつの間にか、日中は夫のことをあまり見ないようにして、あんまりよく話を聞かない(笑)。

でも、言いたいことは言う(笑)。

ちなみに、夫婦仲が悪いわけではありません。
夜は、子どもたちが寝たあとに、ゆっくり話をしています。

昼間は、自分のやることをやったり、家事をしたり。
そんな時間は、自分のペースで気楽に過ごしたいんですよね。

それなのに、家の中から時々、夫の出す音が聞こえてくる(笑)。

それだけで、「あ、いるんだった」と思う(笑)。

そして、顔を上げると、同じ顔(笑)。

夫が嫌というわけではないんです。
ただ、ずっと同じ人が家にいる生活に、私のほうがまだ慣れていないのかもしれません。

一緒に暮らしていれば、向き合いたくないときだってあります。

そんなときも、家族だから完全に避けることはできない。

だからこそ、相手を変えようとするのではなく、自分なりに「かわす」ことを覚えたのかもしれません。

音楽を聴きながら料理をしたり、お茶を飲みながら動画を見たり。

そうしていると、たまに夫が家にいることを一瞬忘れられるようになりました。

夫を変えたわけでも、夫が家にいることに完全に慣れたわけでもありません。

自分の心地よい時間を、自分で守れるようになった。

そんな感覚に近いのかもしれません。

夫をかわすスキルを身につけて、独立キッチン+ダイニングスペースを、これからも自分が心地よく過ごせる場所にしていけたらいいなと思っています。

夫婦でも、人間関係って、日々修行ですね(笑)。

見ざる・言わざる

帰宅後、夕食を作っている間に、子どもには宿題や翌日の準備をやってもらいたい。対面キッチンのときは、ゆっくりしたい子どもの様子にイライラ。少し様子を見るが、一向に動く気配がなくて、またイライラ。自分の頭の中にある膨大なタスクと、子どもの動きとの間にずれが生まれて、またまたイライラ。私の我慢も限界に達すると、声をかけてしまい口喧嘩に…。

リビングにいても頭の中には常に山のようなタスクがあり、ごちゃついたキッチンを見ると家族と団らんどころではなくいつの間にかキッチンへ。くつろいでいる家族を横目で見ながら一人キッチンの片付けに追われる…。

「ママ、これ面白いよ」と言われても、キッチンからテレビを見た時には終わっている…。なんだかな〜。このLDKの空間って、何なんだろう?と思うことも多かったです。

独立キッチンでは、自分がキッチンにいるとき、子どもたちの様子は耳で気にするしかありません。対面キッチンで「いつも子どもの様子が見える」ことに慣れていたので、引っ越してきたばかりの頃は、「本当にこれで良かったのかな?」と思うこともありました。

子どもに対しては、目で追いかけたい気持ちを抑えて、あえて距離を取る。これは、私の挑戦でした。

結果から言うと、私の子どもたちとの関わり方は大きく変わりました。

以前は、子どもが宿題に取り掛かっていないことに何度も声をかけていました。

お互いに怒っている時間、話し合いから和解までの時間。本当に無駄な時間だったと思います。

夕食準備中に子どもの宿題と翌日の準備を気にするのは変わりません。でも、子どもたちの動きを目で追うことができないので「分からないことがあったら呼んでね」と声をかけ、料理中は任せるしかありません。

ここで、料理中の干渉が大きく減りました。

ずっと見ていられないので、子どもの行動について、ある程度割り切ることもできるようになりました。口喧嘩もなく料理の手が止まることが格段に少なくなりました。盛り付けと同時に配膳もできているので、宿題が終わっていなかったとしても、とりあえず夕食を済ませる。子どもたちは、私が料理中、声をかけられることなく自由に過ごせたためか「ご飯だよ」と声をかけると素直に飛んでくるようになりました。機嫌がいいのと、目の前の夕食を見て早く食べたいのとで、「お箸出してね」とお願いすると、これまた素直に出してくれるのです。以前はすごく面倒くさがって拒んでいたのに(笑)。

また、キッチンに家事負担を軽くする工夫を取り入れたことで、キッチンの片付けが終わっていなくても後でサッとやれば大丈夫!と、自分の行動も割り切れるようになりました。

不思議なことに、ごちゃついたキッチンが目に入らないだけでリビングでは穏やかに過ごせるんです。

目に入らないと忘れるのでしょうか?キッチンに行くと、「うゎ、キッチン片付いてない!」って、私、驚いてるんですよ(笑)。

引っ越してきた当時、小学3年生だった息子に「口うるささって変わった?」と聞いてみると、「全然違う」と笑っていました。また、当時2歳の娘に「ママの姿が見えなくて寂しくなかった?」と聞いてみると、「寂しくなかったよ」とのこと。「姿が見えないことで、子どもたちに悪影響を与えてしまうかもしれない」という不安はありましたが、心配しすぎだったようです。

スマホを持つようになった今の息子とは、「干渉しすぎない、心地よい距離感」のおかげで、ソファの隣に並んで「これ面白いよ」と画面を見せ合い、一緒に笑い合える関係でいられています。

子どもに対するイライラは確実に減り、穏やかに子どもに向き合うことができるようになりました。私が変わったというより、私を取り巻く環境が変わった。すると、子どもとの関わり方も自然と変わっていきました。私が目指した親子の関係に、この挑戦は良い変化をもたらしてくれたのではないかと思います。

あえて「見ない環境」を作ったことは、心と時間の余裕がない自分を救い、子どもへの関わり方も変えてくれました。今振り返ると、我が家にとって、とても良い選択だったと感じています。

「世の中の流れ」と「自分たちが機嫌よく暮らせる形」って、必ずしも一致しないですね。

▶︎ 前編はこちら:「南東の独立キッチン+ダイニング」にした理由

▶︎ 買い物帰りの荷物もスイスイ!ごちゃつく脱衣所&キッチンを見せない「隠せる家事動線」【キッチン連載第2話】

この記事が、誰かの暮らしを軽くできますように。
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